犬の食物アレルギーが皮膚炎を起こす場合があります。一般的には以下の物質がアレルギーの原因になりやすいと考えられています。
- 小麦
- 大豆
- トウモロコシ
- 牛乳
- 牛肉
上記以外にも様々な食品がアレルギーの原因(アレルゲン)になり得ます。
アレルギー性皮膚炎を理解するために「アレルギー反応とは?」という基本から解説していきます。
アレルギー反応とは?
アレルギー反応は「過剰な免疫反応」ということができます。
免疫反応とは、体に有害な病原菌や異物が侵入した際、それらを攻撃し排除する働きのことです。
体に有害な物質の侵入に対し、免疫反応が応答するのは正しいです。
しかしながら、さほど有害でない物に対してまで免疫反応が応答してしまう体質の犬や人が存在します。その際、免疫応答の仕方が通常とは異なり、体に対して害を及ぼしてしまう場合があります。
これがアレルギーと呼ばれる反応です。
アレルギー反応の分類
アレルギー反応はⅠ型〜Ⅳ型に分類されています。食物アレルギーは「Ⅰ型」に分類されています。
Ⅰ型アレルギーには以下のものがあります。
- 蕁麻疹
- アラフィラキシーショック
- アレルギー性鼻炎(花粉症)
- 気管支喘息
- アトピー性皮膚炎
- 食物アレルギー
Ⅰ型アレルギーの特徴はIgEと呼ばれる抗体が偏って産生されることです。これにより免疫応答の過程で炎症物質の「ヒスタミン」が多数放出されます。
食物アレルギーによる皮膚炎
目の周囲、口の周りに炎症が起こるケースが多く見られます。かゆみが強いのが特徴です。
症状が進むと皮膚炎を起こした箇所が細菌に感染し、皮膚の肥厚、脱毛、黒ずみなどが起こる場合があります。
治療
アレルゲンとなる食材を食事から取り除くことで改善が見られる場合は、除去食を続けます。
アレルギー反応は特定のアレルゲンに対し、体が必要のない免疫応答をしてしまうことが原因です。それを避けるために、食事内容を変えていきます。
必要に応じてシャンプーや薬物療法が行われます。獣医師の指示に従って、適切な治療を受けることが大切です。
また、食物アレルギーによってバランスを崩した肌は細菌感染、ノミの寄生(ノミ感染症)などによって悪化する場合があります。犬の生活環境の管理も含めて注意が必要です。
除去食 | フードの利用
アレルゲンがわかっている場合はその食材を除去した食事を犬に与えます。
現在、多くのメーカーからアレルギー食材の取り除いた除去食用フードが発売されています。それらを検討するのも一つの選択肢です。
除去食 | 手作りごはんによる対応
ただし、中には
「アレルゲン食材が多すぎて食べられるフードがない」
「特別な材料を使ったフードは高価格で経済的な負担が大きい」
と言ったケースもあります。
例えば「肉類」のほとんどにアレルギーがあるため、魚ベースのフードを利用したい。
しかし1kgあたりの単価が一般的なフードと比べて高いため、継続して食べさせるにはコスト負担が大きい、といった場合です。
そういう時は「手作りごはん」という選択肢もあります。
手作りごはんは、スーパーなどで売られている一般的な生鮮食品を使い、犬の体に合わせて家庭で作る食事です。
飼い主さん自身が食材を選ぶので、アレルゲンとなる食材が混入する心配はありません。
「手作りごはんとは、どういうものか?」については下記の記事で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。