こんにちは。Office Guriの諸橋直子です。
先日、老犬に多い「心臓病」についての予備知識を学ぶ記事を書きました。小型犬で老齢期に入ると心臓病を患う犬が多いのですが、今回は特に、
「僧帽弁閉鎖不全症」
という聴き慣れない名前の病気についても解説しています。
小型犬の飼い主さんは是非、ご一読ください。
↓
犬の心臓の働き | 老齢の小型犬に多い心臓病「僧帽弁閉鎖不全症」を知ろう
「僧帽弁」って急に言われても、戸惑いますよね
心臓病についての詳しい解説は、是非記事をお読みください。
この記事では、なぜそもそも、犬の病気や体のことについて、私自身が解説サイトを作って運営しているか?についてお話ししようと思います。
先ほど、老齢期の小型犬には「僧帽弁閉鎖不全症」が多いですよ、と言う話をしました。
でも、もし初めてこの言葉を動物病院で聞いたとしたら、私だったらこう思います。
「僧帽弁って、そもそも何?」
動物病院での説明が「わかりにくい!」と感じてしまう理由
「犬が病気です」と、突然告げられるのはかなりのインパクトがあります。
それだけで「がーん!」ですが、そこに専門用語で説明をおっかぶせられると、ますます分からなくなるわけです。
ただでさえ「犬が病気」と言われてびっくりしているのに、意味がよく理解できない用語でさらに病気の説明をされても、そりゃわかりませんよね、と言う話。
患者と医療者側の意思疎通が難しい? | 人間の世界でも、実はよくあること
そして実はこう言う事態は犬の病気に限らず、人間の世界でもよくあることです。
私の知り合いでも、家族が病気になり説明を受けたものの「とにかく分からない言葉ばっかり!お医者さんの態度もすごく感じ悪い!もう不信感しかない!」と怒っている人がいます。
でも、これを知人の看護師さんに愚痴ると「あー、それはそう言う意味でね…」と、医療知識の無い人にもわかりやすく説明してくれたりします。
そうすると、怒っていた人も「そうか、そう言う意味だったのか…だったら納得」と安心した様子でした。
本当は、こういうことをその場で、病院で質問できれば一番良いのです。でもお医者さんも忙しそうだし、聞きにくい雰囲気って、正直ありますよね。
ここにコミュニケーションの「溝」が生まれる
本来であれば、患者側も知識をある程度持って、説明を聴けると良いです。医療者側も「一般の人は何が分からないか?」を理解した上で説明しないといけません。
ここに「溝」があるわけです。
コミュニケーションが、うまくいかない。
逆に「患者=医療者間」で良いコミュニケーションが取れていると、治療にも良い影響があることが知られています。
患者-医療者間のコミュニケーションがうまくいっていると、診察後の患者満足感、情報の理解、治療へのアドヒアランスが上がるなど、短・中期的な患者への効果があるだけでなく、生理学的指標(血圧や血糖値など)の改善、生活の質(クオリティーオブライフ:QOL)の向上など長期的な効果もあることが明らかにされている。
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【用語解説:アドヒアランス】患者が積極的に治療方針の決定に参加し、それに従って治療を受けること。患者側が「受け身」ではなく、「能動的」に意思決定に参加し、自ら治療に参加することが特徴。
犬の場合は、飼い主が治療方針の決定や投薬など、治療に参加する立場を担います。そうなると、やっぱり獣医さんとは良いコミュニケーションをとっておきたいところです。
良いコミュニケーションが、治療や犬のQOLに影響するというなら、なおさらです。
犬の健康のためにも、やっぱり獣医さんとはちゃんとコミュニケーションを取りたい
というわけで、いろいろ難しいところもありますが、犬の病気について、獣医さんとお互いに理解を深めることが大切。その上で、治療のこと、薬のこと、今後の生活のことを話し合えると最高ですね。
その結果、治療成績が上がり犬の病気が良くなったり、何より飼い主さん自身が不安を減らせればそれに越したことはありません。
では、獣医さんと円滑にコミュニケーションを取るために、飼い主側は何を学べばいいか?
これについて、次回の記事でさらに掘り下げてお話しようと思います。
Officee Guriでは犬の体とよくある病気についてまとめたサイトを運営しています。こちらもぜひ参考にしてくださいね。