こんにちは。Office Guriの諸橋直子です。日本アニマルウェルネス協会認定「ホリスティックケア・カウンセラー」、愛玩動物飼養管理士2級の有資格者です。
犬の手作りご飯歴15年になります。
さて、前回のメールで
「素人の犬の手作りごはんで、犬の栄養ちゃんと足りてるの?」
と、もしよく知らない人からいきなり議論をふっかけられた時、あなたであればどう反応しますか?ということを問いかけました。
手作りご飯は「栄養の知識がないと絶対作っちゃダメ!」というものではありません。
でも、もし「栄養足りてる?」と聞かれた際、
「えええ、そう言われると自信ない…ううう」
と飼い主さん自身の心が萎んでしまうようだと、それはそれでどうなの?と言う話です。
栄養とは何か?を理解していますか?
「あなたの手作りごはんで栄養ちゃんとカバーできてる?」
そう問う側は、ではその「バランスを取るべき”栄養”」とい言うものが実はわかっていないことが大半です。
何となくイメージで
「ドッグフードと比べて、手作りごはんなんてバランス悪いんでしょ?」
くらいの感覚で聞いてきます。
一方で聞かれる側も
「栄養バランス…今までなんとなくで作ってきてそれなりにうまくやってきた手作りご飯だけど、そもそも栄養バランスの取れた食事って何?栄養ってどういうもの???」
と、栄養に関してはぼんやりとしたイメージしか持っていないことが多いです。
こんな具合にお互いに「栄養」について議論しようとしているのに、その対象である「栄養」について、そもそもしっかり定義できていないというのは問題です。
せっかく「犬の健康」を考えて、食事の栄養バランスについて論じましょう、というのに、その中心にある「栄養」を理解できていないのではそもそもダメなんじゃないの?と言う話です。
まず栄養を定義しよう
栄養とは:
食物は私たち人や犬の体内で消化・吸収され、体を維持する物質に作り変えられたり、エネルギーになります。この活動を指して「栄養」と呼びます。
では栄養素とは?
栄養素とは:
私たちの体に必要なエネルギーや物質を作る出すために、必要な材料のこと。
栄養の断片的な知識ではなく「完成したパズル」で考えよう
「栄養」と「栄養素」について理解できたところで、ようやく「食事の栄養バランス」について考えるスタートラインに立てます。
ところで「犬の健康を、食事の栄養バランスと言う視点で考え、論じたい」と言う場合、栄養と栄養素について、さらに視点を広げて考える必要があります。
そこでここでは、栄養バランスを「完成したパズル」として考えてみます。
完成したパズル=栄養バランスの取れた食事
目の前にあるパズルのピースは、様々な栄養素だと考えてみましょう。
パズルを完成させるには、どうしたら良いのでしょうか?
大事なのは以下の2つです。
- 全体像をまずイメージする
- その上で、そのパズルのピースが全体象の「どの位置」に当てはまるかを考える
全体像=「バランスの取れた食事」です。
ピース=各種栄養素。糖質、脂質、タンパク質などの個別の栄養素ですね。
ピースの色、形などをじっくり観察するのは大事です。でも小さなピースだけじっとをみていても、パズルはいつまで経っても完成しません。
完成した全体像を参考に「全体の中でこのピースが当てはまる位置は?ピッタリハマりそうな隣のピースはどれ?」と言う風に、周囲との関わりも考えていく必要があります。
栄養バランスについても同じです。
個別の栄養素の働きについていくらつきつめても、そうした知識だけではバランスの取れた食事を組み立てるのは不可能。
そのため、栄養バランスが取れた食事とは?を考える際には、食事の栄養について俯瞰した視点が必要。
個別の栄養素の知識だけでなく、「栄養学全体」を大枠で理解する必要があるということです。
具体的に言うと、
「犬が生きていく上で、最低限必要としている栄養には何があるか?」
と言う枠組み、基礎知識です。
手作りごはん初心者が「栄養バランス」で悩む理由
今回の話をまとめます。犬の手作りごはん初心者の方は
「あなたの犬、手作りごはんで栄養ちゃんと取れてるの?」
と聞かれてドキッとします。そう言われると確かに、私のご飯、ちゃんと犬に必要な栄養取れているかな、と不安になります。
その原因は以下の3つ
- そもそも「栄養」についてわかっていない
- 「栄養」について断片的な情報しか持っていない
- 栄養全体の「枠組み」が理解できていない
栄養についての知識を「栄養学」と言う枠組みに納めて、全体で理解できると「栄養バランス」についての不安は無くせます。