AEAJ認定アロマテラピーインストラクター、Office Guriの諸橋直子です。我が家が一時的な3頭多頭飼いになってから一月半ほど過ぎました。
ラブラドール3頭な生活を送っているわけですが、3頭を見ていると、面白いことに気づきます。それは何かというと…。
犬にとって「嗅ぐ」ことの重要性を考える
『犬であるとはどういうことか―その鼻が教える匂いの世界』という書籍をご存知でしょうか?
著者のアレクサンドラ・ホロウィッツ氏は、認知行動学者・心理学者、そして愛犬家です。この書籍は犬にとって「嗅覚」とは一体どういうものなのか?を大きなテーマとして取り扱っています。この本によると、犬の嗅ぐ、は、私たちにとっての見る、と同義であるとのこと。
そうした視点でみると、たしかに我が家の3匹の犬たちはしょっちゅうお互いの匂いを嗅ぎあっています。
あるときは頭、あるときはお尻、3頭の中で一番若いニコは、誰かが鼻先を寄せると「どうぞどうぞ、好きなだけ嗅いでください」と言わんばかりに、お腹を見せ、足を広げ「無抵抗」のポーズを取ります。
興味深いのは、おそらくもうほとんど目は見えていないであろう16歳の老犬が、カンナの頭の匂いを、よく嗅いでいることです。ちょうどそのとき、たまたま読んだ『犬であるとはどういうことか』に「犬の嗅ぐ、は、人の見ると同義である」ということが書かれており、「なるほどな」と思った次第です。
ヒトたちは、外の世界を認識するのに「視覚」を優位に使用します。相手の顔色を見て「元気そう」「青白いけど、大丈夫?」などと思ったりします。
そこから考えると、犬たちはおそらく、お互いに匂いをかぎ合いながら「元気?」「調子はどう?」という具合に仲間同士、確認しあっているのではないか?と思う次第です。犬にとって、「嗅ぐ」というのはコミュニケーションのひとつなんですね。
香りを通して、犬と積極的にコミュニケーションを取ってみたい
犬は鋭い嗅覚を持つ生き物ですが、それは単に「色々な匂いを嗅ぎ分けられる」だけでなく、他者とのコミュニケーションにも利用されています。だったら「嗅覚」を利用して犬とコミュニケーションを取ることはできないだろうか?そんな風に感じた飼い主さんにおすすめなのが「犬のアロマセラピー」です。
「アロマセラピー」は植物から抽出した「精油」の香りをかぐことでリラックスを促す、ストレスケアに利用するという、家庭でできるセルフケアの一種です。
私自身は、「公益社団法人日本アロマ環境協会認定 アロマテラピーインストラクター( https://www.aromakankyo.or.jp/licences/instructor/ )」という、プロフェッショナル資格の保有者です。そしてもう10年以上アロマセラピーの専門家としての活動を続けています。
アロマセラピーの良いところは、植物精油の香り成分の中には、神経の緊張をほぐすもの、気持ちを落ち着けるものなどメンタルに良い影響を与えるものがいくつもあることです。
例えば、犬・人ともに好まれる「ラベンダー」の香りには「酢酸リナリル」という成分が多く含まれます。
この成分には「鎮静作用」があることが知られています。
「ラベンダーが好きだから、香りを嗅ぐと落ち着く気がする」というのは、多くの人が言うことです。これは、もちろん「好きな香りだから」というのありますが実際に、「鎮静作用」を持つ成分を香りとして吸収していることも、作用していると考えられます。
犬も同様に、この「香りの恩恵」を受けることができます。では、この香りを通して、どのように犬とコミュニケーションを取るのでしょうか?私が長年、飼い主さんにおすすめしているのは「犬へのアロマセラピー・マッサージ」です。
リラックスを促す香りを嗅ぎながら、飼い主さん自身の手でマッサージを行うことで犬は安心感、信頼感を得られます。同時に、飼い主さんは犬がよろこぶ姿を見て幸福感を得られるなど、お互いにメリットがあるのがアロマ・マッサージの特徴です。
次回から、このメルマガでは数回に分けて「犬のアロママッサージ」について解説していきます。興味のある方は是非楽しみにお待ちください。