Office Guriの諸橋直子です。前回に引き続き「犬のマッサージ」をテーマにお届けします。
今回は「いざというとき、健康を守るための練習に」という視点でマッサージについて解説していこうと思います。
マッサージのメリットは大きく分けると2つあります。
- 血行促進やコリをほぐすなど、身体への直接的な影響
- リラックス、幸福感、マッサージをする側、される側の信頼関係を強めるなど、精神的な影響
これらはマッサージの「わかりやすい」メリットと言えます。それと同時に、実はマッサージはこうした「わかりやすい」メリット以外にも、思わぬところで役に立つ場面があります。
「触られること」に慣れていると、動物病院の受診が「楽」に
かかりつけの動物病院で看護師さんや先生の腕を見ると、たいてい傷だらけです。
治療のときに恐怖を感じ、暴れてしまう動物が一定の割合でいるからです。動物からしてみれば何をされるかわからないし、拘束されたり痛いことをされれば、それは嫌ですよね。なので暴れる。ある意味理にかなっています。
一方で、暴れてしまうゆえに「必要な治療が受けられない」ケースも出てきます。問題なのはこちらです。
当然、治療が受けられないと動物の苦痛が長く続く、治りが遅いなど動物にとってのデメリットが大きいです。
動物病院が、動物にとって「怖い」場所であるのはある意味、仕方のないことです。
しかしながら「怖い」と「暴れる」は切り離して考える必要があります。
痛い、怖い、という動物の感じ方を変えるのは難しい。でも「どうにか暴れないで、治療を受けているときは我慢する」ができると、それは動物の健康を守るのに大きく貢献します。
ちなみに我が家の犬たちも、診察や注射などは好きではありません。診察が始まると、口角がぎゅっと上がり、いかにも「嫌です!」という顔に変わります。
それでも黙って、されるがままにしています。嫌だけれど、とりあえず我慢しているんですね。
これはもともとの犬たちの性格が従順というのもありますが(元盲導犬候補生たちなので、ある程度穏やかで、人間の話を聞いてくれる犬たちが選ばれて、掛け合わされています)子犬の頃から「身体のあちこちを触って、人に触れられることに慣れる訓練」をしているからです。
一方、世の中には様々な性格の犬、色々な環境で育った犬たちがいます。
体に触れられる事が生まれつき苦手な犬もいれば、残念なことに人間とあまり良い関係を築けない環境で育った犬たちもいます。
そうした犬たちも、年をとって病気が増え動物病院を受診する回数が増える。そのときに、攻撃的な態度で身体をしっかり診せてくれない、だと、その犬の健康が損なわれてしまうリスクにさらされます。
なので、できれば「少しずつで良いので、人間に身体を触られることに慣れる練習」を重ねておきたいところです。
そういう意味で、マッサージは「触れられることに慣れる練習」としても有効です。
血行促進、リラックス、そして「動物病院」の受診をスムーズにするために | マッサージを楽しい習慣に
このように、マッサージには多くのメリットがあります。
特別なスキルは不要、やろと思えば今日今すぐにでも始められるのがマッサージです。
興味のある方は、ぜひやってみてくださいね。
簡単なマッサージのやり方を動画でご紹介しています。是非参考にしてみてください。