Office Guriの諸橋直子です。
前回の記事では
「手作りごはんもいいけど、多くの犬はペットフードを食べている。また手作りに興味はあっても、忙しい、難しく感じるなどの理由で、100%手作りはちょっと厳しい、という人の方が実際には多い」
という話をしました。
こうした事実を踏まえた上で
「結局ペットフードとの縁は続くわけだし、便利で利用するのだから、ペットフードについても基礎的なことを知って、犬に合わせて最適なものを選べるようにしたらいいんじゃないか」
ということを書きました。
前回の記事はこちら:
「手作りごはん」と「ペットフード」犬の食事、あなたはどちらですか?
https://www.officeguri.com/dog-food-choice/
ペットフードは多くの方が利用しているにも関わらず
「ペットフードってそもそもどういう物?」
「どんな種類がある?(メーカーやブランドの違いではなく、種類と中身の話です)」
といった「基本的な情報」は、案外「そういえば知らない」という方が多いのではないでしょうか。
なのでこのメルマガでは今回から数回に分けて
「ペットフードとはどういう物?」
「犬に合わせて最適な種類を選ぶには?」
をテーマに、解説していこうと思います。
ちなみに、この記事で特定のメーカーをおすすめすることは一切しません。
犬によってどのフードが最適か?は異なるからです。
これからお話する基本的な情報を元に、読者のみなさんが
「うちの犬の場合は…」
と一人一人が考えていただき、最適なフードを選択していただく手助けになればと考えています。
では、早速内容に入っていきましょう。
「ペットフード」とは何か?
はじめに、言葉の定義をしておきます。
以下、一般社団法人ペットフード協会HPからの引用です。
ペットフードとは、穀類、いも類、でん粉類、糖類、種実類、豆類、野菜類、果実類、きのこ類、藻類、魚介類、肉類、卵類、乳類、油脂類、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類、その他の添加物等を原材料とし、混合機、蒸煮機、成型機、乾燥機、加熱殺菌機、冷凍機等を使用して製造したもの、
ペットフードの定義 | 一般社団法人ペットフード協会
又は天日干し等簡易な方法により製造したもので、一般消費者向けに容器に入れられた又は包装されたもので、犬の飲食に供するもの又は猫の飲食に供するものをいう。
https://petfood.or.jp/knowledge/definition/index.html
かんたんに言うと、犬・猫専用に作られた食べ物=ペットフード、ということですね。
このペットフードには、いわゆる「カリカリ」のドライフードもあれば、水分が多めで缶詰になっているウェットタイプもあります。
形状や水分含有量の違いによって、様々な種類があります。複数の種類があるということは、それぞれ特徴がある、ということ。
この「特徴」をうまく押さえられると、最適なフード選びに一歩近づきます。
では、フードにはどのような種類があるのでしょうか?引き続きみていきましょう。
水分含有量による分類を見てみよう
数あるフードを、まずは「水分含有量」で分けてみます。分類は以下の通りです。
- ドライ(水分10%以下)
- ソフトドライ(水分25~35%程度、加熱発泡処理、湿潤調整剤使用)
- セミモイスト(水分25~35%程度、押出機による製造、湿潤調整剤使用)
- ウェット(水分75%程度、殺菌工程を経て缶やアルミトレー、レトルトパウチなどに充填)
ざっとこの分類を見ただけでも、実は犬にとって最適なフード選びのヒントが、たくさん隠されています。
この情報をどう活用する?
例えば「ドライ」。水分10%以下と定義されています。これは、何はさておき保存性の良さを示しています。水分を少なくすることによって、カビの発生などを未然に防いでいるんですね。
このことは、飼い主さんの「扱いやすさ」につながります。健康で食欲旺盛な犬であればフードを購入後、一定期間で使い切ればフードの変質は基本的に心配する必要がありません。
便利で楽、という点では多くの飼い主さんにドライフードが支持されるのも頷けます。
一方でドライフードのメリットは、その「水分含有量の低さ」によってもたらされているため
「犬が食事以外で、水分をしっかり摂っているか?」
は、別に考えて、管理する必要があります。
たっぷりの水分をとり、健康的に排尿することで、結石症や膀胱炎を未然に防ぐことにもつながります。
特に頻繁に膀胱炎を起こす犬、結石が認められおしっこをできるだけたくさん出してください、と獣医師に指示された犬は
- ドライフード+しっかり水分摂取
がポイントです。
「のどが渇いてから水を飲む」
では足りない場合もあるため、
- フードにぬるま湯を加えて、食事と一緒に水分摂取できるようにする
といった一工夫が必要になる場合もあります。
ここで手作りに興味がある方であれば、ぬるま湯を鶏肉で出汁をとったスープに置き換えるのも良いでしょう。
香りの良いスープは犬も大好きです。喜んで飲んでくれるでしょう。
このように、
「ドライフードは水分含有量が少ないから、それを補って、しっかり水分摂取できるように」
と、飼い主さんが頭の片隅に置くことで、犬に水分をしっかり取らせる工夫を具体的に行うことが出来るようになります。
「ドライフードは水分含有量が、他のフードと比べて少ない」
という、文字にするとたった1行の情報ですがそこから引き出せる、「犬の健康を守るための情報量」は、知識を持った人が見れば実はかなり多いのです。
犬に適したフードを選ぶために
いかがでしょうか?
フードについて基礎知識を持つ重要性を、ご理解いただけたでしょうか。
「なるほど、フードは今までメーカーとかブランド、ネット上のランキングなどを参考にしていたけどそういう風に”中身”の分類についてまでは、考えたことなかった…」
という方が、新しい角度でフードを検討するきっかけとなれば幸いです。
次号のメールでは、ここまでの分類からもう少し深く
「犬に適したフードをどうチョイスするか、そのフードを選択した際に、何に気をつけたらよいか?」
という情報を引き出す方法についてお話ししてみようと思います。
是非楽しみにしていてください。