犬の手作りごはん栄養学

犬の手作りごはん | 栄養素を無駄なく使い切る「栄養学」

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Office Guriの諸橋直子です。犬の手作りごはん栄養学についての解説記事です。みなさんは犬の手作りごはんの「野菜の皮」を剥きますか?それとも、そのままですか?我が家は野菜によって剥いたり、剥かなかったりです。以下は剥かない野菜のリストです:

  • ニンジン
  • ナス
  • 大根
  • ガボチャ

我が家の犬たちは野菜も好んで食べます。犬に野菜を与える理由は、野菜がビタミン、ミネラルそして水分の供給源となるからです。また、野菜に含まれる各種色素は「抗酸化作用」を持つものも多く、犬の体にもメリットがあります。また、犬の腸にとっても適度な食物繊維は、健康促進に役立ちます。食物繊維の一部は腸内細菌の栄養源となり、その菌によって作られた物質が腸粘膜細胞のエネルギー源にもなります。

このように、健康上のメリットが多い野菜ですが、「どの部位」にどのような栄養素が含まれているか?の知識がないと、栄養豊富な部位を知らずに捨てていた!という、もったいないことも起きています。なので、今回は「犬のごはん素材の栄養を、無駄にしないための栄養学」をテーマに取り上げたいと思います。

栄養素を無駄にしないために | 「部位別」の栄養素に注目しよう

野菜は部位によって含まれる栄養素が違います。以下に3つの実例を挙げて解説していきます。

β-カロテンは、ニンジンの「皮の真下」に一番多い

料理本では「ニンジンは皮を剥いて」と書いてある場合があります。しかし、ニンジンの皮はごく薄いものです。確かに煮物などでは、皮付きで食べると薄い皮の存在を感じますがあ、食感が悪いとか、気になって仕方がないというほどではありません。何よりβ-カロテンは皮の真下に多く含まれている、という「栄養学」の視点から見れば「皮ごと食べた方が、β-カロテンを効率的に摂取できる」ことに気づきます。

抗酸化作用が強く、体内で「ビタミンA」変換されるβ-カロテンは油と一緒に調理すると、吸収率があがります。我が家には16歳の老犬がいます。老犬の体にも嬉しいβ-カロテン。それであれば、皮をむかず、油と一緒に調理した状態で食べさせたいもの。

学んだ知識は、実際の「調理」に活かそう

栄養学」を学んでいくと、「栄養素」の個々の働きが理解できます。それに加えて大切なのは、実際の食事作りに、それらの知識をどう活かすか?ということです。知識の獲得(この例では、ニンジンの皮の真下にβ-カロテンが多い)」→「応用(じゃあ、皮をむかないで、油と一緒に調理しよう)」というふうに。どうしても皮が気になる、という場合は薄くピーラーで剥くという方法もあります。このように「実際の調理に応用していく」のが「犬の手作りごはん栄養学」では大切です。

ナスに特有のポリフェボール「ナスニン」は、皮に多く含まれる

読者のみなさんは、ナスはお好きでしょうか?我が家の犬たちは、ナスが大好きです。ナスの皮、あの鮮やかな紫色はポリフェノールの一種「ナスニン」によるものです。ポリフェノールもβ-カロテン同様、高い抗酸化力を持つ成分です。抗酸化成分は、体内で過剰に生産された「活性酸素」を中和し細胞の老化や、病気を防ぐシステムを助ける働きを持っています。レシピによっては剥かれて捨てられてしまうナスの皮。実はとても栄養豊富なのです。犬に与える歳、皮に硬さが気になる場合は細く刻むのがおすすめです。

*抗酸化成分についての詳しい記事は『老犬が摂りたい抗酸化ビタミン「ACE」のはなし | 老犬の栄養学』内の
”老犬は「ビタミンACE(エース)」を意識しよう”を参考にしてください。

大根やカブの栄養は「葉」に集まっている。捨てるのはもったいない

白い根の部分を食べることが多い、大根やカブ。これも「」に豊富な栄養があることが知られないまま、捨てられてしまうケースが多いことをご存知でしょうか?大根、カブともに「」にはβ-カロテンが豊富に含まれます。その一方で、「」の部分には、β-カロテンは全く含まれていません。つまり、「」を捨ててしまうと、大根とカブのβ-カロテンを、まるまる無駄にしてしまうことになるのです。そのため、葉付き大根やカブは、スープにしたり、刻んで炒めるなどして、余す所なく使うのがおすすめです。

野菜には健康上のメリットがある「フィトケミカル」が含まれる

野菜には、動物性の食材とはまた違った、体に有益な成分が含まれています。「フィトケミカル」と呼ばれる物質があります。植物が、紫外線や有害物質から身を守るために生み出したものと考えられています。「フィトケミカル」には、この「抗酸化作用」を持つものが多いのも特徴です。「フィトケミカル」は必須の栄養素とは今のところ、考えられていません。しかしながら、ヒトや犬の健康を増進し、病気に対する予防効果が期待される成分であることがわかっています。

「栄養素」について知り、無駄なく使おう

犬の手作りごはんは、新鮮な肉や野菜を使ってつくる、「犬のための家庭料理」です。様々な食材から、体に良い各種栄養素をとりいれることができます。そんな手作りごはんの「栄養素」の働きを知り、無駄なく使う方法をあなたご自身も学んでみませんか?

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この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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