コラム

犬の体とよくある病気(2) | 「膀胱炎」「慢性腎不全」

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この記事では犬の「泌尿器系」の病気について解説します。「泌尿器系」の病気は犬に身近なものが多く、飼い主さんが悩み、決断する要する場面が多い疾患です。

前回の記事はこちら

犬に多い泌尿器系の病気 | 膀胱炎・慢性腎不全

膀胱炎

膀胱・尿道へ細菌が感染することで起こる。メスに多い疾患。排尿時に痛みを伴い、繰り返し排尿ポーズを取ることがある。尿が濁る、または血尿になる場合がある。

治療

抗生物質による治療が行われます。抗生物質は決められた期間内、しっかり飲み切るようにします。症状がなくなったからと自己判断で止めさせると菌が残ったままの状態となり、再発を繰り返す場合があります

慢性腎不全

腎臓の働きが徐々に低下した状態を指す。老犬ほど発生頻度が高い。血液検査、尿検査などで見つかることが多い。

一度機能低下した腎臓は、治療して元には戻りません。放置すると次第に悪化します。早めに治療開始が鍵になります。

治療

症状の進行を遅らせ、症状を軽くする目的で行われます。腎臓に負担のかからない食餌療法が行われる場合があります。獣医師とよく相談の上、行うことが大切です。

慢性腎不全については、こちらの解説もご参照ください。

犬の腎臓の働きと「腎不全」 | 犬が腎臓病と言われたら?

犬の病気を知ることで、適切な対応ができる

「膀胱炎」は筆者も経験しましたが、急に血尿が出てびっくりしました。血尿をおしっこシートで吸い取り(室内だったので)それを持って慌ててかかりつけに駆け込んだ思い出があります。

床のおしっこは基本的に、床の雑菌やゴミまみれになるので、成分を検査するには向きません

でも、血液の量や色などをある程度見てもらうことができます。個人的に、犬の体に異常がある場合、持っていける材料があるならとりあえず持っていき、獣医さんに診てもらうことにしています。

判断材料は、少しでも多い方が良いですからね。

慢性腎不全」は、犬は元気だけれど尿検査で異常値が出て、という状況で
発見されることが多いです。そのため犬が元気なのに、治療って必要?とピンと来ないまま治療開始を先延ばしにしてしまうケースも時々みられます

しかし、腎臓は「一度機能低下すると、元には戻らない」事を知っていれば、呑気なことを言っていられない!とわかるはず。腎臓の機能をできるだけ維持するには、早期の治療開始が大切です

病気を知っていれば、いざというとき正しい対応が可能です。ぜひ基本事項を「何もない、健康な時」に学んでおいてくださいね。

次号では「尿結石」とはどんな病気か?について取り上げます。

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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