犬の手作りごはん

犬の手作りごはん「栄養バランス」で悩んでいる方へ(3)栄養を知ろう

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SAE認定犬の管理栄養士アドバンス | Office Guriの諸橋直子です。今回も定期的に疑問が寄せられる

犬の手作りごはん、栄養バランスってどう考えればいいの?

について、解説シリーズをお届けしていきます。

シリーズ過去記事はこちら:
犬の手作りごはん「栄養バランス」で悩んでいる方へ(1)
の手作りごはん「栄養バランス」で悩んでいる方へ(2)ペットフードとの違い

前回の記事では「ペットフードと手作りごはんでは、根本的に栄養のとり方が違うので、2つを比較する意味は、ほぼない」というお話をしました。

それしか食べない」前提のペットフード。

色々なものを偏りなく食べる」前提の手作りごはん。

この2つの違いを知った上で、「手作りごはんでの栄養バランス」について考えましょう、というのが前回までのお話です。

そこでいよいよ「さあ、手作りごはんの栄養について考えよう!」となるわけですが、その前に大事なことを1つお聞きします。

読者の皆さんご自身、栄養、についてどこまで知っていますか?

栄養について語る前に、まず語るに必要な最低限の「知識」を手に入れよう

個人的な印象ですが、犬の食事栄養バランスを語る以前に、そもそも栄養についての基礎知識が不足している人が多いように思います。

栄養について最低限必要な知識を持たないまま、感情論で犬の食事が語られる場面をよく見かけます。

ただ、せっかくこの記事を読んでくださっている読者の皆さんには、必要最低限の栄養について知っていただき、犬の食事について前向きな姿勢で栄養について考えるきっかけにしてもらえれば、と思っています。

そこで今回は、ここから少し栄養のお話をさせていただきます。

栄養の基礎知識スタートライン「五大栄養素」について

栄養、という広大なジャンルを理解するために、まず初心者の方は、「必ず摂取しないといけないもの」と「そうでないもの」に分けて考えると、わかりやすいです。

では「必ず摂取しないといけないもの」とは何か?これを「五大栄養素」と呼びます。

(犬と人間では、この五大栄養素の概念も違う部分があります。ここではわかりやすくするために、「五大栄養素」=必要な栄養素、という視点でお話ししていきます。違いについては後述)

五大栄養素

  • 炭水化物(糖質+食物繊維)
  • 脂質
  • タンパク質
  • ビタミン
  • ミネラル
炭水化物(糖質+食物繊維)

いわゆる「ごはん系」。パスタ、うどん、パンなど。エネルギー源になる。

脂質

ひとことでいえば「油」。オリーブオイル、ごま油などの油脂類、肉の脂身、魚の油など。

タンパク質

「身体をつくるもの」。肉、卵、大豆、乳製品など。

ビタミン

「身体を調整するもの」。酸化防止のビタミンACEはその代表。

ミネラル

「身体を調整するもの、作るものいろいろ」。骨を作る「カルシウム」は、神経の伝達にも関わる主要ミネラル。

五大栄養素について、おおまかに説明すると以上となります。

これらの栄養素については、食事を通して必ず摂取しなければいけないものであり「1日にどのくらいの量が必要か」が明らかになっています。

言い換えると、栄養バランスが取れた食事、というのは、これら「五大栄養素」が過不足なく満たされたもの、といえます。

つまり?
栄養バランスが取れた食事とは?
五大栄養素」が過不足なく満たされた食事である。

初心者の方は、まずこの基本ポイントを今日はおさえてください。

ただし、犬の場合「糖質」は必須の栄養素ではありません。タンパク質が十分に摂取できていれば「糖質」は必要ない、というのが現在の共通認識です。

試しに、ペットフードをお手元にお持ちの方は、成分表示を見てみてください。

糖質」に関する表示が無いものが多いはずです(メーカーによっては表示がある場合もあり、パッケージに直接表示がなくても、WEB上で「糖質」の含有量を公開している製品もあります)。

なぜ表示されないか? 糖質は犬にとって「必須」でないため、表示義務がないからです

ペットフード公正取引協議会によると「成分表示はたん白質、脂質、粗繊維、灰分、水分の重量比を%(パーセント)で表示」することが定められています。

粗繊維というのは、ざっくりと「食物繊維」、灰分というのは「ミネラル」とここでは理解しておいてください。

糖質」がなくても、タンパク質を十分に摂取できていれば、犬は健康を維持できます。

しかし、糖質分のエネルギーをタンパク質で補おうとするとコスト高になること、糖質は効率の良いエネルギー源で、犬も利用可能なことなどから、ペットフードには糖質が適量、加えられるのが普通です。

という具合に、厳密に言うと必須の栄養素も人間と犬とでは違いがありますが、初心者の方は、現段階で「五大栄養素」を満たす食事を念頭においておけば、まず間違いがありません。

大事なので繰り返しますが:

栄養バランスが取れた食事とは?
「五大栄養素」が過不足なく満たされた食事である。

これが基本です。今日はこの1点をご理解いただければ幸いです。

ではこの「五大栄養素」を手作りごはんでどう満たせば良いのか?

これについて、次号の記事で引き続き解説していこうと思います。必要を感じる方は楽しみにお待ちください。

参考:ペットフード公正取引協議会 | 表示方法
https://pffta.org/hyouji/img/hyoji.pdf

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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