Office Guriの諸橋直子です。今回は明日から開始の「犬のための栄養学講座募集」にあたり「栄養学を味方につけるとどんなメリットが有るの?」を、具体例を挙げて紹介しようと思います。
身体の悩み、トラブルに「食事」でも対応しよう
犬も生き物である以上、身体に様々なトラブルを抱えることは珍しくありません。
そういうとき、基本は動物病院で受ける「医療サービス」を利用します。適切な診断と治療が何より大事です。
ただ、動物病院から帰って、回復するまでを過ごすのは圧倒的に自宅です。
そういう意味で、回復のベースは自宅なわけです。まさに自宅は健康を作る「拠点」といえるでしょう。
その「拠点」で犬は、安心して飼い主さんに身を委ね回復していくわけですが、ここで大事なのは「食事」をとるのもまた自宅、ということです。
「食事」は犬の大きな楽しみの一つです。美味しいものを食べると元気が出るのは犬も人も同じこと。
その「食事」を、栄養学の知識をもって、ただのお腹を満たすためのごはん、ではなく「回復を後押しする健康ごはん」に変えられると良いと思いませんか?
栄養学を学ぶと、例えばこんなトラブルにも自宅で対応できるようになります。
- 皮膚トラブル
- 便秘
- 痩せすぎ
- 太り過ぎ
- 老犬のケア
ここからは「栄養学の知識を使って、どう対応するの?」をひとつずつみていきましょう。
抱える悩みに「栄養」をどう活かす?
皮膚トラブル
皮膚の健康を作るには、材料となる「タンパク質」をしっかり摂取するのが基本です。その際、体内で利用しやすい「良質のタンパク質」を選ぶことが欠かせません。
また、体内でのタンパク質合成には「亜鉛」が必要です。
そしてこれらの栄養素を、身体の隅々まで送り届けるための血行も重要な要素。そのためには「ビタミンE」をはじめとする、複数のビタミンの助けが必要です。
つまり、皮膚のづくりには複数の栄養素が複雑に絡み合っており、それらを含む食材のチョイスが重要になります。
便秘
便秘の原因は様々です。食事内容に原因がある場合もありますし、運動不足やストレスによる便秘もあります。
便秘解消には「食物繊維」とよく言われますが、この「食物繊維」にも種類があります。
- いわゆるジャキジャキとした野菜のスジを作る「不溶性食物繊維」
- ジャムのとろみを作るペクチンに代表される「水溶性食物繊維」
の2種類。
大事なのはこの2種類をバランスよく取ることです。
バランスが大事というのは「不溶性食物繊維」だけを取り過ぎても、お腹が張ってガスが溜まるなど、逆にトラブルにつながるケースがあるからです。
また便秘には程度な油、水分の摂取も必要です。
「これさえ食べれば解決」というほど、単純では無いのが便秘です。(他のトラブルも単純で無いのは同様ですが)
やせすぎ
病気が原因で体重が減少している場合は、まず病院。その病気によって食事対応も変わります。
一方で、体質的に量が食べられない、太れない、胃腸が弱いという犬の場合、その犬が受け入れやすい、消化の良いメニューを組むことで解決できる場合があります。
消化の良さは食材のチョイスと調理法が鍵を握ります。エネルギー源となる糖質を、お粥やスープと言った水分が多く柔らかい調理法で調理します。
ビタミン、ミネラル類のバランスも大事です。
油脂類は身体にとって必要なものですが、胃腸の弱い犬の場合、消化器トラブルに繋がる原因にもなります。様子を見ながら量を調整していく必要があります。
太り過ぎ
カロリーオーバーになれば太ります。なのでカロリーを減らせば痩せます。これは至極単純なことです。
犬の肥満は100%飼い主の責任です。
おやつの与えすぎ、おねだりに弱いなど、食べさせているのは人間です。犬は自分で勝手に冷蔵庫を開けて盗み食いもしませんし、1匹でコンビニに行って買い食いもしません。
肥満の責任はすべて飼い主にあることを自覚し、犬の健康寿命を損ねている自覚を持つことがスタートラインでしょう。
厳しい言い方ですが、個人的にそのように飼い主によって「太らされた」犬をダイエットさせ、標準体型に戻すことを、私は過去、複数経験しています。そのためこれに関しては、このような物言いになることをご理解ください。
ダイエットのコツは、低カロリーでも栄養はしっかり摂る、です。ただ食事の量を減らすだけでは健康的に痩せられません。栄養をしっかり摂りつつ、体脂肪を減らして行くのがポイントです。
老犬のケア
私は昨年12月、16歳と半年で黒ラブ・ぐりを看取りました。あのときほど、手作りごはんを知っててよかった!と思ったことはありません。
犬の老化は成犬期から少しずつ進み、ある年齢を超えるとぐんぐん加速していく印象を個人的には持ちました。
胃腸の消化能力が落ちてくるのはもちろん(ただし、中には老犬になっても全く変わらない犬もいます。そこは個体差です)あちこちに病気が出てきます。
我が家の犬は、加齢に伴い腎機能に障害が出て、最後は腎不全+肝不全の形で亡くなりました。
れでも食欲が落ちていく中、食べられるものを食べやすい形で、先細りしつつも食べさせられたことは、本当に良かったと思っています。
これがもし、ペットフードのみしか選択肢がなければ、多分我が家のぐりは早くに食べることを諦めることになったと思うからです。
肝臓や腎臓の機能が落ちて、治る見込みのない時期(老化による最期の期間なので、これはもうどうしようもないです)スープや軽めのお粥などで、亡くなる1週間前まで自ら食事が取れたことは、やはり手作りごはんならではの恩恵です。
フードも優れた食事ですが、犬の個別の状況に合わせて細やかに対応する点では、やはり手作りごはんに軍配があがります。
栄養学の知識を総動員すると、老犬にはかなりのことがしてやれると、個人的には自負しています。
ただ、こうした知識は一夕一朝で身につくものではありません。
犬の将来を見据えて、ある程度犬が若い頃からこつこつ準備と経験を積み重ね、いざそのときになって、犬に合わせて対応することが出来るのだと思います。
もちろんまだ犬が若く健康で、老犬になったときのことはイメージできないなあ、という方も多いと思います。
ですが、若く健康な犬のために学ぶ栄養学が、老犬になったとき、よりあなたご自身と愛犬の力になれる、ということは頭の片隅においていただければ幸いです。
犬の健康を「食事」から支えたいすべての方に
「栄養学」は一度身につけると、一生役立つ知識です。
犬の手作りごはん、そして健康を作るためにも役立つのはもちろんですが、飼い主さんの日々の元気を支えるのにも栄養学は力を発揮します。
私たちにとって犬が大事な家族であるように、犬にとってもまた飼い主さんは大切な存在です。
なので、飼い主さんが日々、健康であることもまた犬の幸福の必須条件。
そのためには、犬と一緒に飼い主さんにも健康で日々を楽しく過ごしていただきたい、とOffice Guriでは考えています。
こんな風に、犬と飼い主さんの「健康」を支える「食事の栄養学」を基礎から学びたい、という方むけにオンラインで学べる「犬のための栄養学講座」をご用意しました。
この講座の受講生募集を、明日2月16日(水)より10名限定で行います。
詳細は明日18時配信開始のメルマガでお伝えします。必要を感じる方は、是非楽しみにしていてください。