こんにちは、Office Guriの諸橋直子です。今回も「犬の手作りごはん中級者向け、栄養学」をテーマに記事をお届けします。
過去4回の記事はこちら:
栄養学を学ぶことで、犬のためにできること
栄養学を学ぶことで、犬の健康管理にどんなメリットがあるのでしょうか。具体例を挙げながらご紹介していきます。
1 | 犬の体のトラブル対策:毛のパサツキ
犬の毛のパサツキ、皮膚の乾燥が気になる、という飼い主さんは多くいらっしゃいます。加齢によるパサツキ、皮膚の乾燥はある程度は仕方がないことです。
しかしながら、もしここで「皮膚や毛を作るのはタンパク質である」という知識があれば、食事に良質のタンパク質を加えることができます。
ここで敢えて「良質の」といったのは、同じタンパク質でも、体の中で利用しやすいものと、そうでないものとがあるからです。栄養学の知識があれば、食材の中から、この「利用しやすいタンパク質」を選ぶことができます。
体内でのタンパク質合成には「亜鉛」も欠かせません。タンパク質合成に必要な栄養素を体の隅々まで届けるには「血行」も大切。その点、「ビタミンE」は末梢血管の血流改善効果が期待できる栄養素です。
また、細胞内の水分をキープしているのは「細胞膜」ですが、これは「脂質」でできています。そのため、「脂質」の摂取が不足すると、乾燥肌の原因になる場合があります。
こうした、「愛犬の体の悩み」×「栄養素の働き」を照らし合わせて栄養を考え、食材をチョイスしていく。これが「犬のために栄養学を学ぶ」醍醐味といえるでしょう。
2 | 下痢、嘔吐
下痢や嘔吐は犬にとって最も身近なトラブルと言えるでしょう。
激しい下痢や、繰り返される嘔吐は病気の可能性があります。必要に応じて獣医師の診察を受けましょう。家庭で様子を見られる場合は、手作りごはんでの対応が可能です。
嘔吐の際は、様子を見ながら水分補給をすることが大切です。経口補水液などを飲ませるのもおすすめです。
犬用経口補水液もありますが、人間用の経口補水液を3倍程度に薄めたものでも代用可能です。(ただし、持病がある場合は事前に獣医師へ相談してください)
その後、食事がとれるようになり回復期に入ったあとは、お粥など、水分が多く、消化の良い食事に切り替えます。その際、消化の悪い「油脂類」を含むものは避けます。
下痢の場合も同様に、消化の良い、水分の多いメニューで体から失われた水分を補給します。
下痢、嘔吐では電解質も失われるため、補給が必要です。水ではなく、経口補水液が勧められるのはそのためです。
栄養学を身につければ、「一生役立つ」
栄養学を学ぶメリットは色々ありますが、一度身につけることで「一生役立つ」というのは確実といえます。
なぜなら、「食事」との付き合いは一生涯続くからです。また、犬の年齢やライフスタイルの変化に合わせて「適切な食事」も変わっていくからです。
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