犬の手作りごはん栄養学

犬のきれいな毛と肌を作るには?「手作りごはん栄養学」

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犬の管理栄養士、諸橋直子です。

さて今回は

犬の皮膚や毛の健康を作る栄養素って何?

をテーマにお届けします。

食事から犬の皮膚や被毛の健康づくりをサポートできれば、こんなに良いことはありません。

このテーマは現在作成中の新講座

老犬の手作りごはん、食事と栄養

でも取り上げています。

加齢とともにハリやツヤが失われていく老犬の皮膚や被毛をできるだけ健康に保つのに役立つ栄養素をテーマに、講座内では解説しています。興味のある方は講座を楽しみにお待ちください。

というわけで

犬の皮膚と毛の健康を作る栄養素

の話。

きれいな犬の毛と肌を作るには?

ところできれいな毛と肌とはどのような状態をいうのでしょうか?具体的に挙げるとすれば「トラブルがなく、適度なハリやうるおいのある状態」といえます。

これは犬の年齢に関わりなく、老犬であってもその年齢に応じた毛と肌の健康を保っていきたいですよね。

ではそのような健康な毛と肌を育てるには、どのようなアプローチをすれば良いのでしょうか。

ポイントは以下の3つの栄養素です。

  • タンパク質
  • 亜鉛
  • ビタミンC

この3つについて解説していきましょう。

健康な毛と肌を作る基本は「タンパク質」

健康な毛と肌を作る「材料」となるのが「タンパク質」です。そのため何はさておき、良質の「タンパク質」を十分に食事から摂ることが大事。

良質というのは、犬の体内で利用しやすいや「タンパク質」を指します。「タンパク質」にも種類があり、犬の体内で利用しやすいのは肉、魚、卵、大豆製品などアミノ酸スコアが100に近いものです。

アミノ酸スコアについてはこちらで詳しく解説しています。

手作りごはんの場合はこれらの食材を使って、十分な「タンパク質」を犬に食べてもらうのがスタートです。

「タンパク質」の合成に欠かせない「亜鉛」

次に必要なのが、皮膚の新陳代謝に欠かせない「亜鉛」です。「亜鉛」はタンパク質合成に欠かせない栄養素。

「亜鉛」は肉や魚などに多く含まれているため、これらの食材を摂っていれば不足の心配はありません。尚「亜鉛」は次に取り上げる「ビタミンC」と一緒に摂取すると吸収率が上がります。

皮膚の弾力を支える「コラーゲン」の合成には「ビタミンC」

犬の肌の弾力を支えるのは「コラーゲン」と呼ばれる繊維状のタンパク質です。ゼラチンの原料としても知られる「コラーゲン」ですが料理として「コラーゲン」を摂取したからといって、それがそのまま体の中で「コラーゲン」として働くわけではありません。

食事から摂取した「コラーゲン」は消化され、アミノ酸となり吸収されます。それぞれ必要に応じて体内で様々なタンパク質に作り替えられ、利用されます。

そして体内で「コラーゲン」を作る際、欠かせないのが「ビタミンC」です。

食べた「コラーゲン」がそのまま肌の「コラーゲン」となるとは限りませんが必要に応じて作られる際には「ビタミンC」が必須。

そのため、元気な肌を作るためには「ビタミンC」も意識して食事から摂りたいところです。

健康な毛と肌のために「栄養バランス」を考え、偏りなく美味しく食べよう

というわけで、今回は「犬の毛と皮膚の健康」をテーマに解説しました。毛と皮膚の健康は単独の栄養素に支えられているわけではなく、複数の栄養素が互いに影響しあって作られます。

十分な「タンパク質」の摂取と、代謝を支えるビタミン、ミネラルの助けがあってはじめて健康な皮膚と毛が作られ、新陳代謝が促されます。このように「古い皮膚や毛の細胞が剥がれ落ち、新しい細胞と入れ替わる」という新陳代謝のサイクルが正常に回ることが、健康な毛と肌を作るポイントです。

ぜひこの点を意識してみてください。

ビタミンCについての解説と、多く含む食材の紹介はこちらの記事にまとめてあるのでご参考に。

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
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