「特に病気というわけではないけれど、我が家の犬は胃腸が弱い。
下痢や嘔吐をちょくちょくするし、フードもあまり食べない。季節の変わり目には体調を崩しがち、どうしたらいい?」
この記事ではこういう場合、中国古典医学(中医学)、東洋医学ではどんな対応があるか?について解説します。
食事内容の見直し
フードは便利で栄養バランスも整っている犬のための食事ですが、基本的に「健康な場合の犬」を想定しています。
いわゆる「普段の食事」です。体調の悪い時の食事ではない点がポイントです。
私たち人間も、お腹の調子が悪い時には消化の良いスープやおかゆ、柔らかいパンなどを食べます。脂肪分を避けてあっさりとしたものを選択します。
ところがフード一択の場合、その中には胃もたれの原因ともなる脂質やその他、エネルギー源になる栄養素がたっぷり詰まっています。
これらは健康な時であれば問題ありませんが、胃腸の調子が悪い時には消化不良や嘔吐、下痢の原因にもなります。
犬の体の調子が悪い時には、その状態に合わせて食事をアレンジできるのがベストです。あっさりとしたお粥は犬の胃腸が弱っている際におすすめです。
中医学では胃腸の虚弱はあらゆる体調不良の原因と捉える
中医学では、食物から栄養やエネルギーを取り込む胃腸を大切に考えています。もし胃腸の調子が悪いと、体が栄養やエネルギーをうまく取り込めず虚弱体質の原因になると考えます。
そのため「胃腸虚弱」への対応方法は数多くあり、
- 中医学の食事療法=薬膳
- 体調を整える=鍼灸
- 薬物療法=漢方薬(中医薬)の服用
という選択肢があります。
この記事では「体調を整える=鍼灸」を取り上げ、家庭でも簡単にできる「ツボマッサージ」をお勧めします。
胃腸虚弱に用いられるツボ
消化機能の虚弱に対するツボは以下の通りです。
- 中脘(ちゅうかん)
- 足三里(あしさんり)
- 内関(ないかん)
- 脾愈(ひゆ)
- 陽陵泉(ようりょうせん)
以下に犬によく使用される胃腸のツボ2種類を紹介します。
中脘(ちゅうかん)
胃腸の疾患を治療する際に、よく用いられるツボです。家庭でのケアの場合は、ちょうど胃の真上辺りにあるツボなので指で優しくマッサージを行います。
位置の確認とマッサージ方法は動画をご確認ください。
足三里
足にあるツボですが、刺激することで胃腸疾患に効果的なツボとされているのが「足三里」です。
中脘と併用することで、胃の働きを促し、入ってきた食べものを正常に小腸に送る働きを助ける効果があるとされています。
ツボ押しは手軽にできる家庭でのケア
上記の2つのツボは「嘔吐」時のケアに良く用いられるツボなのでご紹介しました。
ぜひ試してみてください。