Office Guriの諸橋直子です。さて今回は「犬に魚を与えるメリット」を解説するシリーズの最終回です。
犬も魚が大好き!
そして、美味しいだけでなく栄養学的にみても魚には優れた点がいっぱいです。
そのため手作りごはんを作っている方はぜひ魚を。フードがメインの食事なご家庭でも、栄養学の知識があればフード選びに役立ちます。なのでぜひ、この機会に魚の良さも知っていただけるととても嬉しいです。
というわけで、「魚から考える犬の必須脂肪酸」をテーマにお届けします。
これまでの過去記事はこちら。
食事から必ず摂りたい「必須脂肪酸」の話
ここで前回も触れた「必須脂肪酸」についておさらいします。「脂肪酸」は脂質を構成する成分の一種で、脂質の性質を決めるの上で重要な役割を担っています。
さてそんな「脂肪酸」の中には私たち人間や犬が身体の中で作ることができない、または作れたとしてもわずかな量なので食事から摂取する必要があるタイプがあります。それが「必須脂肪酸」です。
ここでは簡単に「必ず食事から摂る必要がある脂肪酸」と覚えておいてください。
さて、ここで重要なのは青魚に多く含まれる
- EPA
- DHA
も「必須脂肪酸」に深く関連する点です。
参考:「脂肪酸」の情報はこちらにまとめてあります。より深く学習したい方は参考にしてください。
犬の「必須脂肪酸」とは?
犬の必須脂肪酸は
- リノール酸
- α-リノレン酸
です。
犬はリノール酸が体に入ってくれば、そこからγ-リノレン酸、アラキドン酸を合成できます。同様にα-リノレン酸が入ってくれば、そこから「EPA」「DHA」を合成できます。
リノール酸は比較的摂取しやすい脂肪酸で大豆油、ごま油などに多く含まれています。手作りごはんでこれらの油を利用していれば、不足する心配はありません。
ではα-リノレン酸はどうでしょう?
α-リノレン酸は少々特殊な油に多く含まれています。亜麻仁オイルやえごま油などがそれです。
「必須脂肪酸」をどう摂取する?
さて亜麻仁オイルや、えごま油はいずれもスーパーで購入できるオイルです。しかし大豆油などに比べると割高です。また亜麻仁オイルに関していうと、劣化しやすいため開封後1ヶ月以内に使い切るなど、保存にも気を遣います。
そのため小さな瓶で購入しても小型犬の場合は使い切れるかどうか?という量なので扱い方にも注意が必要です。もちろん亜麻仁オイルの優れた栄養価は魅力的ですし、犬にもメリットがあります。
一方でコストが割高だったり、管理が難しいことは忙しい毎日を送る飼い主さんの負担になる場合があります。
重ねて、α-リノレン酸からEPA、DHAへの変換率はさほど高くありません。
それであればEPA、DHAを青魚から直接摂取した方が簡単です。EPA、DHAは犬の皮膚や健康を保つために必要な大切な脂肪酸です。時々魚を意識して摂取することで、手軽に摂取できるのであれば飼い主さんの大きな負担にもなりません。
新鮮な魚を美味しく食べて、犬の皮膚と被毛を健やかに
というわけで、EPA、DHAは魚から摂ると簡単で効率的ですよ、というお話でした。
ちなみにEPA、DHAは酸化が大敵です。そのため新鮮な状態の魚を食べるのがポイントです。
大体において、魚は新鮮な状態で食べることが多いものです。切り身やお刺身など、身近で獲れた魚であれば朝獲れたフレッシュな状態でスーパーに並ぶことも珍しくありません。そうした魚を調理して、美味しい状態で犬に食べてもらうだけでEPAやDHAを無理なく摂取できます。
EPAとDHAは犬の皮膚と被毛を健やかに保つために欠かせません。ぜひ新鮮な魚が手に入った際は、手作りごはんに活用してみてくださいね。