犬の管理栄養士:諸橋直子です。
13歳の老犬カンナのために「甘くないあんまん」を作りました。
ところで「なぜ犬のおやつにあんまんなの??」と不思議に思った方も多いと思います。これには老犬特有のある悩みのためです。
その悩みとは?
老化による「体重減少」を食い止めたい!
我が家の老犬カンナ、13歳。大型犬の老犬としては、かなりプロフェッショナルの域に入ってきました(=けっこうな高齢)。
カンナはもともと私の実家で両親が飼っていた犬ですが、諸事情で3年ほど前に我が家の犬になりました。当時は実家で、かなり奔放な食生活を送っておりオーバーウエイト気味。
実はかなりのむっちり体型でした。
それが少しずつ痩せまして。
半年もする頃にはすっかり標準体型に。動物病院でも「理想的」と褒められるようになりました。
と、しばらくはこれでよかったのですが、さすがに年齢を重ねると少しずつ痩せるようになってきました。
食事量もゆるやか〜に減ってきます。無理に量を食べさせようとするとお腹を壊します。老化に伴い、食欲はあるけれど油が負担になったり、量を一度にたくさん食べると吐いてしまうなどトラブルも出てくるようになりました。
動物病院での健康診断では特に疾患は見られないのですが、できれば健康体重を維持し痩せすぎにはなりたくないところ。
そこで考えたのが「おやつ」。
犬のおやつといえばささみジャーキーなどが一般的ですが、カロリーをしっかり摂るとなるとできれば糖質が望ましい。
それでいてお腹の負担にならず、できれば老犬の健康に良いものだとさらにいいんだけど…と考えた末に行き着いたのが今回の「甘くないあんまん」というわけです。
では「あんまん」のどのあたりが老犬に良いのでしょうか?引き続き解説していこうと思います。
「小豆」にはポリフェノールやビタミンが豊富!
同じ豆でもいくつかタイプがあり、例えば大豆はタンパク質や脂質がその中心です。一方小豆は?というと、ほっくりした食感からわかるように糖質と食物繊維が豊富です。
今回は体重維持のためのおやつという目的なので、エネルギーとして利用しやすい糖質が多い小豆がぴったり。
さらに小豆には
- ビタミンB1
- 鉄分
- ポリフェノール
などが多く含まれます。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える際に必須の栄養素ですし、鉄分は全身に酸素を送るヘモグロビンの材料になります。
ポリフェノールには抗酸化作用があり、体内で発生する活性酸素を消去してくれます。
活性酸素は多すぎると、細胞を傷つけたり病気の原因となる物質です。
そのため、ポリフェノールを摂取することは老犬の健康維持に大きなメリットがあります。
思い立ったら即!調理も意外と簡単な「小豆」
小豆というと、甘い和菓子や缶詰の茹で小豆をイメージする方が多いと思います。でもお砂糖たっぷりの小豆は、犬が食べるのには向きません。
ではどうするか?ですが、乾燥小豆を自宅で煮るのがおすすめです。
小豆は大豆などと違い、一晩水に漬けてから茹でるタイプの豆ではありません。そもそも硬いので、水につけてもふやけません。
逆を言えば「思い立ったらすぐに茹でることができる」のが小豆なのです。我が家では圧力鍋を使って、7分ほどで茹で小豆を作ります。
甘味抜きで茹でた小豆はそのままでもホクホクとして、小豆の持つほのかな甘味を感じられます。茹で汁を切って小豆ご飯にアレンジしても美味しいです。
この小豆を小麦粉で作った皮に包んでフライパンで焼けば、あっという間に「犬のための甘くないあんまん」の完成です。
材料の詳細は動画の概要欄に記載しているので、気になる方は参考にしてください。
犬のおやつも自宅で作ると犬の体調に合わせてアレンジ自在です。
今後も色々と作ってみたいですね。夏に向けて食欲が落ちる犬でも食べやすい、ひんやりしたゼリーや、寒天を使ったメニューも楽しそうです。