老犬の食事

「老犬がごはんを食べない問題」どう考える?(2)| 犬の食事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

こんにちは。Office Guriの諸橋直子です。

さて、今回も「老犬の健康と食事」というテーマでお届けしていきます。

老犬がごはんを食べなくて困っている」という悩みは多く聞かれます。

この「食べない」が、単に食の好みが変わったのか、それとも病気が原因で食欲が無いのか?は常に同時に考えていく必要があります。

なぜなら、犬も高齢になると何かしら病気を抱えることが多いからです。

そのため「食欲が振るわない」を単に、食事の中身だけの問題として捉えると、病気の兆候を見逃してしまう場合があります

これについては、前回の記事でも注意喚起したので気になる方はぜひ、こちらからご覧ください。

「老犬がごはん食べない問題」

を考える際に必要なものは2つ。

  • 食事の知識
  • 病気の知識

です。

今回はまず、「病気の知識」から見ていきましょう。

老犬が、かかりやすい「病気」を把握しよう

年を取ると病気を抱えやすくなるのは犬もヒトも一緒です。

ここではまず、老犬がかかりやすい病気を把握しておきましょう。

老犬がかかりやすい病気

  • 心臓病(僧帽弁閉鎖不全、心筋症など)
  • 腎臓病(腎不全など)
  • 歯周病(歯周炎、歯肉炎など)
  • 認知症
  • がん
  • 内分泌系疾患(糖尿病、甲状腺機能低下症、クッシング症候群など)

これらの病気の中に、症状として「食欲の異常」が現れるケースがあります。

例えば「慢性腎不全」。腎臓の働きが徐々に低下する病気ですが、高齢になった動物には比較的多く見られます。

腎臓は一旦機能低下すると、基本的に元に戻ることはありません。また腎不全は、徐々に進行する病気でもあります。

そのため血液検査や尿検査で早い段階で見つける、そして早期治療を開始し、症状を緩和させることが大切です。

慢性腎不全の症状として

  • 食欲不振
  • 下痢

がある点に、老犬の飼い主は注意が必要です。

いずれも「年を取ることでよくある体調不良」でもあるため、見逃されがちだからです。

また、老犬のこうした病気は急激に進むことがあるのも特徴です。春に血液検査をして大丈夫だったのに、半年後急に状態が悪くなった、ということも起こります。

犬と人間では、老化の時間が違います。

そのため、老犬については健康診断の間隔を3~6ヶ月おきで勧められるケースもあります。犬の方が、ヒトと比べて老化の進む時間が早いこと考えると、こまめな健康チェックは有益です。

老犬の食欲不振は、まず動物病院の受診を

というわけで今回は「食欲不振」が現れる病気の代表として「慢性腎不全」を取り上げました。

他にも、食欲不振が症状として現れやすい病気は数多くあります。

そうした病気がある、とまず飼い主が知っておくことが大切です。

そのため「老犬の食欲が振るわない」場合、まずは動物病院を第一選択肢に考えましょう。

病院でチェックしてもらい、病気が原因ではなさそうだ、とわかったら、そこからは家庭での相違と工夫の出番です。

老犬がごはんを食べない、または食べたいけど食べられない原因をいろいろな角度から検証し、食事をアレンジします。

では、家庭での「老犬ごはん」はどんな視点で考え、どう工夫すれば良いのでしょうか?

次号の記事で引き続き解説していきます。

この記事は犬の健康基礎情報を学ぶ「ぐり通信」のバックナンバーです。
最新号の配信を希望の方はバナーをクリックしてお申し込みください。無料でご購読いただけます。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加