Office Guriの諸橋直子です。今回も「老犬の健康と食事」というテーマでお届けしていきます。
「老犬がごはんを食べなくて困っている」という悩みをスタートラインに「老犬の食事と健康」について、みなさんと一緒に考えていこうと思います。
過去記事はこちら:
「老犬がごはんを食べない問題」をどう考える? | 犬の食事
「老犬がごはんを食べない問題」どう考える?(2)| 犬の食事
今回は「病気以外で、老犬が食事を食べない原因」を考えていくことにします。
老化に伴う身体の「変化」に注目しよう
老化に伴う犬の体の変化の中で、特に食欲に影響を与えるものを以下に挙げます:
- 食の好みの変化
- 運動量や代謝の低下
- 喉や顎の筋肉の老化
ひとつひとつ見ていきましょう。
【1】食の好みの変化
老犬になってから、食べ物の好みが変わることはよくあります。そのため、食事の中身の変化をつけることで、食べるようになることがあります。
手作りごはんの場合は、食材や調理法変えることで比較的簡単に対応可能です。
肉メインだったところを、魚に変えてみる、煮る、が中心だったのを焼く、炒めるに変えてみるなど今までとは少し違ったものに変えて様子を見ます。
香りの変化で食べることも多くあるため、「焼く」「炒める」などの香りが立ちやすい調理法は、犬に好まれる傾向があります。
また、ごま油、鰹節、粉チーズなど犬の食欲をそそる香りをプラスと、食べる場合もあります。
犬も年を取ると「今まで好きだったけど、どうも最近食べられなくなってきた…」ということは、よく起こってきます。
「あんなに好きだったのに!」と嘆くのではなく、現在の犬の好みに合ったものを探っていきましょう。
フードの場合の対応方法
フードの場合、メインとなる素材を変える、またはフードの形状を変えてトライするのがおすすめです。
チキンメインのフードだったのを、ビーフや魚に変えてみる。
または、今までドライフードだったのをウエットやセミモイストタイプに変えてみるのもおすすめです。
特にウエットフードは、食に対してはっきりとした好き嫌いを示す犬でも比較的好んで食べる、という特徴があります。アルミ缶やレトルトパウチの形状で売られており、少量から試せるのもメリットです。
ただし、ウエットフードで総合栄養食の種類が少なく、ドライフードと比較すると、栄養バランスに配慮が必要な点に注意が必要です。
フードをメインの食事として与えている場合は、こうした特徴を正しく理解した上で、ウエットフードを利用することが大切です。
【2】運動量や代謝の低下
老犬になって以前より寝ている時間が増えた、遊ばなくなった、というのはよく聞かれる声です。
加齢とともに運動量が減るのは自然なことです。また、運動量が減れば、身体だが必要とするエネルギーも減ります。
すると「以前よりお腹が空かなくなった」という現象が当然起こってきます。
そのため、運動量や代謝の低下が原因の食欲不振は、ゆるく長く定期的な運動は続けつつ、食事量は「太りすぎず、痩せすぎず」と体型ベースで調節していく必要があります。
また、食事量が減ったとしても身体の維持に必要な「栄養素」はしっかり取らなくてはなりません。特に老犬は、タンパク質とビタミン類はしっかり摂りたいところです。手作りごはんの場合は、この点に十分注意しながら行う必要があります。
フードの場合は、シニア用に調整されたフードが多くあるため、これらの製品を利用するのが良いでしょう。
低カロリーで高タンパク、低脂質など老犬のコンディションに合わせた製品の中から、愛犬に合わせたフードと量を調整していきましょう。
というわけで、今回は「食の好みの変化」「運動量や代謝の低下」についてお話ししました。
次回は「喉や顎の筋肉の老化」による食欲低下と、その対応方法についてお話ししていきます。