Office Guriの諸橋直子です。
今回は「犬の手作りごはんに使っていたオリーブオイルが値上がり!コスト高にどう対応したらいい?」
をテーマにお届けします。
きっかけは「日清オイリオ、オリーブオイルを最大80%値上げ」というニュース記事。オリーブオイルの不作を受け、オリーブオイル価格が業務用で最大80%、家庭用で64%値上げとなる内容です。
タイトルを見て「80%値上げ!」と驚いたのは私だけではないはずです。
オリーブオイルは我が家でも犬の手作りごはんによく使用していました。栄養価も風味も優れているため、実に多用していました。
それがオリーブオイルの不作に加えて円安の影響で、家庭用オリーブオイルが一気に高級品になってしまった次第です。
これはちょっとなあ…と思っていたところ、たまたま読んでいた書籍で
「オリーブオイルにオレイン酸の効果を期待しているのなら、オレイン酸の含有量の高い菜種油も良いのでは」
という内容に触れ、確かにと感じた次第です。
というわけで
「栄養を考えるのであれば成分的に遜色のない手軽な食材にも目を向けて、手作りごはんを引き続き楽しもう」
というお話です。
オリーブオイルが人気のわけ。悪玉コレステロールを下げる「オレイン酸」の話
「オリーブオイル=ヘルシーな油」
というイメージをお持ちの方も多いと思います。
オリーブオイルが日本でブームになり、定着した要素はいくつかあります。
まずイタリア料理のブーム。
それに加えて「地中海式ダイエット」のブーム。
地中海式の食事方が健康的で、糖尿病や高コレステロール、認知症などのリスク軽減に役立つとされ、世界的に注目されたことが挙げられます。
オリーブオイルはその中で重要視され、オメガ-9系脂肪酸の「オレイン酸」の含有量が高いことも人気に火をつけました。
「オレイン酸」は悪玉コレステロールを減少させ、動脈硬化や生活習慣病の予防になると期待がよせられる成分です。
このように「健康的なオイル」というイメージですっかり定着したオリーブオイル。
せっかくの手作りごはんであれば、犬の身体に良いものを、とオリーブオイルを愛用されている飼い主さんも多くいらっしゃいます。
(私もその一人です)
そんな手軽なオリーブオイルが業務用で最大80%、家庭用でも50〜60%程度の値上げ。
いくら健康に良いとはいえ、コスト的にどうかなあ、とちょっと考えてしまうような値上げ幅です。
「オレイン酸」に着目するなら、「菜種油」はどう?
というわけで、ここでようやく「菜種油」の登場です。
「菜種油」よりも「キャノーラ油」の方がピンとくる!という方もいるかもしれません。
キャノーラとは品種改良された菜種のこと。
従来の菜種には「エルシン酸」と「グルコシノレート」が含まれていましたが、この2つは健康上好ましくない成分であることが指摘されました。
そのためこれらを含まないよう品種改良されたのがキャノーラで、現在国内で流通しているタイプはほぼこのキャノーラです。
さてこの「キャノーラ油」、オリーブオイルよりはやや含有量は低いですが、それでも51〜66%程度のオレイン酸が含まれます。
価格で比較すると参考までに以下のようになります。
- 日清キャノーラ油1000g: 430円 (43円/100gあたり)
- 日清オイリオ さらっと軽~いオリーブオイル 900g:1,717円(190円/100gあたり)
価格参考:東急ストアネットスーパー(2024年3月13日閲覧)
https://ns.tokyu-bell.jp/
こうして比較してみると、4倍強の価格差があります。
今回は栄養素は「オレイン酸」のみに着目して考えていますが、価格的な手軽さやクセがなくさらりと軽い食感といった他のメリットにも目を向けると
「キャノーラ油」
を犬の手作りごはんに使うことは、悪くない選択のようです。
実際に我が家では、メインのオイルを「キャノーラ油」に切り替えました。
オリーブオイルは
「どうしてもオリーブオイルの風味を活かしたい!」
という料理にのみ、厳選して使用するようにしています。
栄養学をもとに、食材を比較検討して、納得できるより良い選択をしよう。
こんな風に栄養素をデータに基づいて比較してみると、納得した上でより良い選択ができるのが良いですね。
興味のある方はぜひ、この機会に栄養学の基礎を学んでみてください。
犬の健康的な食事作りに活かせるのはもちろん、今回のような急な値上げで別の食材を検討する際にも役立ちます。
一般書籍で参考になる本がたくさんあります。機会があればぜひ手に取ってみてください。
正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学