犬の管理栄養士アドバンス:諸橋直子です。秋になりました。そこで今回は、犬の手作りごはんの素材としてよく使われる「かぼちゃ」にスポットを当てて解説していきます。
犬も大好き!甘くて美味しい「かぼちゃ」は、栄養学的に優秀な緑黄色野菜
犬は基本的に甘みを好む動物です。
舌に甘みを感じる細胞を多く持つのがその理由ですが、甘さに加えて、ホクホクした食感をもつでんぷん質のかぼちゃはそんな犬の好みにぴったりと合います。
かぼちゃは緑黄色野菜に分類されます。緑黄色野菜は厚生労働省の栄養指導によると、可食部100gあたりのカロテン含有量が600μg以上のものをさします。かぼちゃのβ-カロテン含有量は3,900μg。実に立派な緑黄色野菜というわけです。
β-カロテンは犬の体内で、必要に応じてビタミンAに変換されます。ビタミンAは抗酸化ビタミンの代表。粘膜を正常に保つほか、活性酸素の除去にも活躍します。
ちなみにがぼちゃの「甘み」は時間の経過とともに強くなるのも特徴です。野菜は通常、新鮮なものの方が栄養価が高いのですが、かぼちゃに関して言うと、寝かせたあとの方がβ-カロテンも増えます。
寝かせて美味しく、が、かぼちゃの特徴でもあるんですね。
かぼちゃは種類が豊富!好みやサイズで使い分けても
余談ですが、北海道は、かぼちゃの生産量国内第1位です。全体の47.3% ( 農林水産省「令和元年産・作物調査(野菜)」による )を占めています。
道理で産直に行くと、この時期色とりどりのかぼちゃが、山のように積まれて、どーん!と売られているわけだ、と地元民としては納得です。
よく見かける種類としては
- みやこ
- えびす
- 坊っちゃん
- 雪化粧
の4種類。
あと今時期だと、食用にはなりませんが、ハロウィン用として巨大なオレンジ色のかぼちゃが売られている場合もあります。
みやこ、えびすは、それぞれ「黒皮栗かぼちゃ」に分類されます。一般的に最もよく流通しているタイプで、その名の通り、皮は濃い緑色、果肉はオレンジ色で加熱するとホクホクになります。
かぼちゃ、と言われて真っ先にイメージされるタイプがコレです。
坊っちゃんは、その名前からイメージされる通り、手のひらサイズの小さなかぼちゃ。そのため、まるごとレンジで5分ほどの加熱で調理できる手軽さと、食べきりサイズで人気です。
そんな中、個人的には雪化粧を推したいです。
うっすらと雪をかぶったような白皮が特徴的。緑やオレンジといった元気カラーが多い中、ひっそりと市場に山積みされている雪化粧を見ると「冬が来たなあ」と感じます。
それもそのはず。雪化粧は貯蔵性が高く、秋に通常のかぼちゃが出回る時期を過ぎてから、そっと出荷されるかぼちゃでもあるからです。
と、こんな風に飼い主はかぼちゃを見て、季節やら何やらを感じているわけですが、犬たちからすると
「そんなのはどうでもいい。とにかく美味しく、早く食べさせろ」
という感じでしょう。
というわけで、次回の記事では、犬におすすめのかぼちゃの調理法、食べ方についてご紹介予定です。是非楽しみにお待ち下さい→最新号をメルマガで受け取りたい方はこちらからご登録いただけます。