犬の管理栄養士アドバンス:諸橋直子です。前回に引き続き、犬におすすめ食材「かぼちゃ」の話をしようと思います。
まずはまるごと「茹でて」おこう!下茹でのススメ。
「かぼちゃ」をまるごと1個購入したら、とりあえず皮ごと煮ておくのがおすすめです。
我が家はザクザクカットしたかぼちゃを圧力鍋で下茹でします。硬いかぼちゃも、圧力鍋だと10分程度で柔らかく煮えます。
ちなみに我が家で愛用している圧力鍋はこちらです→ フィスラー(Fissler) 圧力鍋 ビタクイック プラス 4.5L
この段階では、味付けは一切しません。煮物やかぼちゃサラダを作るなど人間用メニューは、この下茹でが終わった段階にものに、味付けしていきます。
犬用は、このまま使います。以下、犬におすすめのかぼちゃメニューを2つご紹介しますね。
1 | まずはそのまま!ほくほく美味しいかぼちゃは「おやつ」に最適
かぼちゃの粗熱をとるべく器に盛って冷ましていると、我が家の犬たちが集まってきます。
なので、粗熱の取れたまだ温かさの残るかぼちゃを、犬たちはまず、おやつがわりにいただきます。ハクハク、ほくほくと美味しそうに食べています。
2 | 老犬にはとろみのある「簡易ポタージュ」がおすすめ
我が家には16歳の老犬がいます。
老犬、若かりし頃は何でも食べ、ガツガツ食べ、それでいてへっちゃらでした。しかし年をとると、食欲はあるものの、食べ過ぎると戻すようになりました。
そのため、食べさせるときには「量は少なめ、その分回数を増やす」という方法で対応しています。
調理法も「消化の良いもの」を心がけるようになったのはそのためです。
老犬はかぼちゃが大好きで、たくさん食べたい。そして食べさせてやりたいのも山々ですが、そうするとお腹を壊す。
そこで考えたのが「簡易ポタージュ」。
下茹でして柔らかくなったかぼちゃを、少量の炊いた米、チキンスープとあわせブレンダーでなめらかにしたものが「簡易ポタージュ」です。
ブレンダーにかけてある分、消化しやすいですし、とろみがあるため老犬にも飲み込みやすい。
これに茹でた肉や野菜、パスタなどを加えれば、それで立派な犬の食事にもなりますし、おやつがわりに、少量のポタージュを回数を分けて飲ませても良いです。
食べ物と栄養を知り、「食事」を味方につけよう
我が家の老犬は年をとってかなり痩せました。元気ですが、どうしても年と共に体重が減ってきます。
その点、おやつにポタージュを食べさせることで、適度に糖質を摂取できます。程よい水分補給にもなります。
かぼちゃに多い「β-カロテン」は、体内で抗酸化物質として働く他、ビタミンAに変換され、目や粘膜の健康を守ります。
こんな風に、食材の特性を知り老犬に適した調理法も併せると、間食1つ取っても「犬の健康のため」の食事に変えられます。
老犬の健康管理は、今後、多くの飼い主さんにとってますます重要になると予想しますが、「食事管理」は予防医学の中でも基本に当たるもの。
人間の世界でも、「予防医学」が重視され、国も「健康づくり」を国民に意識してもらうよう、取り組みを行っています。
ちなみに予防医学は現在、以下の3段階に分けられています。
「一次予防」(生活習慣を改善して健康を増進し、生活習慣病等を予防すること)
「二次予防」(健康診査等による早期発見・早期治療)
「三次予防」(疾病が発症した後、必要な治療を受け、機能の維持・回復を図ること)
引用元:健康日本21 | 公益財団法人 健康・体力づくり事業財団
http://www.kenkounippon21.gr.jp/kenkounippon21/about/tsuuchibun/e-1.html
この「一次予防」に当たる部分は、私たち自身が中心になって行うべきパートです。
具体的には、正しい食生活や運動習慣を身につけること、適度な休息やストレスケアなどを含みます。
人間の場合は自分たちが行いますが、犬の場合は飼い主が代わりに考える必要があります。
特に「食事」部分は100%飼い主の責任です。犬の体について知り、食事と栄養について知ること、その上で、犬に適切な食事を、犬の状態に合わせてアレンジすること。
こうした取り組みが犬の健康寿命を延ばすことにつながります。
なので、興味のある方は、ぜひ犬の食事と栄養について学んでみてくださいね。

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