世界各地の「香り」を生かした健康の知恵を私たち、そして犬たちにも。
こんにちは、Office Guriの諸橋直子です。私はAEAJ(公益社団法人 日本アロマ環境協会)というところのプロフェッショナル資格「アロマセラピーインストラクター」保有者として、かれこれ10年ほど活動しています。
始めた当時は
「植物の香りっていいなあ。しかもなんだか体に良さそうだし、ストレスも和らぐ気がする」
という本当に軽い気持ちでした。
実際、アロマセラピーで用いる「精油」の成分の中には
- 神経の緊張をほぐすもの
- リラックスを促すもの
- 鎮痛作用のあるもの
- 気分を高揚させるもの
- 逆に適度に落ち着けるもの
など様々な種類が存在します。
「精油」の成分に対する研究が進む
私自身がアロマに関わるようになった10年の間に、こうした成分に対する研究も進み
- どの位の量で
- どの程度鎮痛作用があるのか?
- ストレスに対する影響は?
ということについて、データ化も進んでいます。私自身もそういうデータを参考にさせてもらっています。
例えばAEAJの会報誌によると、心疾患のケア方法のひとつとして「ダマスクローズの香り」が注目されています。
「ダマスクローズ」の香りが、心疾患患者ケアに活用できる可能性
心疾患は世界的に主要な死因の一つです。特に集中治療室で治療を受けた患者の約半数は精神的な不安を抱えており、心臓突然死や心筋梗塞などのリスク要因となることが知られている、とAEAJの機関誌は述べています。
同様に、イランのコム医療大学附属病院で、心疾患集中治療室に入院している患者60名に対し、アロマテラピーの効能に関する調査を実施したことを取り上げています。
実験には蒸留水で薄めた40%濃度のダマスクローズの香りを5滴垂らした布を使用。この結果、ダマスクローズの香りが、入院患者の不安感を大幅に和らげ、睡眠の質を向上させたことが確認された、と紹介しています(AEAJ, AEAJ機関誌No.99, 2021, 14p)。
ちなみにここまで読んで「なんでイランでローズの香りなの?」と疑問に思われた読者の方もいらっしゃると思うので解説します。
イランは良質な「ローズ精油」の産地
実はイランは著名な「ローズ精油」の産地です。ローズの収穫期には、世界中から香水のバイヤー達が高品質なイランのローズ精油を求めて集まるほど。
貴重なバラから少量しか取れないローズ精油。これはとても高価なものですが、精油を作る際に副産物として生まれる「ローズウォーター(芳香蒸留水)」は日常的によく使われるもの。
お菓子の材料として使ったり紅茶に加えたり、大切な宗教儀式にも用いられるのが「ローズウォーター(芳香蒸留水)」です。気軽にローズの香りを楽しむことが、イランでは生活の一部になっているんですね。
そんなお国柄もあり、心疾患患者の不安緩和のために「ローズ」が選ばれ、調査が行われたと想像します。
香りの恩恵を私たち、そして犬たちにも
外の世界に目を向けてみると、香りは想像以上に生活の中に溶けこみ、活用されている。
そんな知恵や香りの恩恵を日常生活、そして犬にも取り入れられるといいな、という気持ちで、私自身はアロマセラピーを楽しめる製品やサービスを開発している次第です。
香りは使って楽しい、私たちや犬にも健康上のメリットがある。アロマ製品を通して、楽しみや快適さを実感していただけると、私もとても嬉しいです。