犬の管理栄養士、Office Guriの諸橋直子です。
さて今回のテーマは「老犬にポタージュ」です。少しとろみのあるポタージュは、舌や喉の筋肉が弱ってきた老犬にも食べやすくおすすめです。
これまでの記事はこちらから:
お腹の調子が悪い犬にポタージュ
実際に我が家の犬たちのうち、1匹がお腹を壊した時のごはんを動画でご紹介します。
トマト、チキン、じゃがいもを煮込んだものを、通常であれば炊いたごはんにかけていただきます、となるのですが1匹お腹の調子が悪い犬がいる。
こんなときは「ブレンダー」の出番です。我が家ではブラウン製品を長年愛用しています。
これをどうするかというと
「ごはんと煮込みを一緒にして、ブレンダーでピュレ状にする」
という作業に使います。
あとはこのピュレ状になったものを、犬のお腹の調子に合わせて水で伸ばして濃さを調整します。
「ブレンダー」1本で、普段のごはんが病気の対応ごはんに早変わりします。多頭飼いで1匹は元気だけれど、もう1匹は調子悪いという際に、同じごはんを共有できる点も便利です。
ポタージュとかピュレ状にする、というとミキサーやフードカッター容器に移して、とハードルが高く感じる方も多いと思います。
でも「ハンドブレンダー」であれば、鍋に直接ぼん!と差し込んでギュウイイイイイイン!とその場で鍋の中身を砕いてペースト状にできるのでとても便利です(ただし音はかなり大きいです)。
ブレンダーを知っておくと、犬のごはん作りにとても重宝します。とくに老犬の食事を作る際、体調に合わせて食事の形状を自由に変えられるので、老犬のご家庭にはぜひ1本とお勧めしている次第です。
ポタージュなら、「一口で全部入ってる」
さて老犬にポタージュがおすすめな最大の理由をお話しします。
それは「一口でも食べられれば、そこに全部栄養が入っている」からです。
例えば、肉、野菜、スープ、ごはんがそれぞれ独立したおかずとして出された場合、食欲がなくてスープを一口しか飲めないとスープの栄養しか摂取できません。
これがポタージュの場合、ブレンダーで全ての具材が均質にならされているわけですから、一口食べただけで肉、野菜、スープ、ごはんの栄養素が少しずつ全て摂れます。
口にできる量が限られている状況だと、一口でできるだけ多くの栄養素が摂取できるメリットがあります。
ポタージュは「ごはんと水」をベースにすれば、簡単に誰でもできる
ポタージュというと、とろみをつけるために複雑なベシャメルソースなどが要るのでは?と誤解されがちです。
しかし実際には、とろみづけは冷たい残りご飯でOKです。水とご飯の量を調整することで、硬めのとろみから、ゆるいとろみまで自由に調整可能です。
老犬になると顎や舌の筋肉が弱りがちですが、その程度も犬によって個体差があります。
そのため犬の状態に合わせて自由に調整できるとろみが、強い味方となります。なのでもし、老犬の飼い主さんで
「最近犬がごはんをとても食べにくそうにしている。何とかしてあげたいがどうしていいかわからない」
という場合は、ぜひごはんに少しとろみをつけることを検討してみてください。