Office Guriの諸橋直子です。今回も「暑い季節を元気に乗り切る、犬の手作りごはん」をテーマにお届けします。
前回の記事はこちら:
夏の不調を乗り切る犬のごはん(1) | 夏の不調はなぜ起こる?
夏の犬ごはんは、「質」重視で考えよう
蒸し暑いと食欲が落ちる、あまりたくさん食べられない…というのは犬にも同じように起こる現象です。
そんなときは「量」より「質」を重視してメニューを組むのがおすすめです。以下に、夏の健康管理に役立つ栄養学のポイントを2つご紹介します。
- ビタミンB群を意識しよう
- 夏野菜で水分補給
【1】ビタミンB群を意識しよう
ビタミンB群の中でもとりわけ夏に注目したいのが
- ビタミンB1
です。
そもそもビタミンB群全体が、糖質、脂質、タンパク質の三大栄養素の代謝を支え、エネルギーとして活用するのを助ける役割を担っています。
その中でも特に、重要なのがビタミンB1の働きです。ビタミンB1は「糖質からエネルギーを取り出す」際に必要な「補酵素」として働くからです。そのためビタミンB1が不足すると糖質をエネルギーにうまく変換できません。
さてここで、犬の栄養学の話をします。
実は犬は糖質がなくても生きていける動物です。糖質からエネルギーを取り出すのにビタミンB1が大事っていう話をしていたくせに何なんだ…と思われるかもしれませんが
「犬と糖質」
の関係は、結構色々なところで議論されているのでOffice Guriではどのようにこれについて理解しているか?という立場をお話ししておきます。
事実として、犬は糖質を必要とはしません。(=なくても生きていける)
しかしながら犬に糖質を与えない場合、何をエネルギー源とするか?という問題が出てきます。
犬は十分なタンパク質を摂取できていれば、そこからエネルギーを取り出し活用できる生き物です。
ただし、犬の必要とするエネルギーの多くをタンパク質で賄おうとすると大量の肉が必要となります。これがコスト面では大きな負担となります。
そのため、ペットフードにもエネルギー源として糖質が利用されています。手作りごはんでも、米やパスタなどを活用されている方が多いです。
糖質は体の中ですぐにエネルギーに変えられる、というメリットがあります。タンパク質もエネルギー源になりますが、糖質は体内でよりスムーズにエネルギー変換できる点で非常に効率が良い。
さらに言えば、犬も糖質を問題なくエネルギー源として利用できます。そのため、利用効率やコスパを考えると、食事に糖質を適度に利用するのは理にかなったことなのです。
ここまではOKでしょうか?
さて、話をビタミンB1に戻します。
糖質をエネルギーに変える際、ビタミンB1が欠かせないというお話はすでにしました。
大切なので繰り返しますが、ビタミンB1が不足すると糖質からうまくエネルギーを取り出すことができません。
ビタミンB1の不足は「だるさ」「疲労感」といった症状になって現れやすいです。そのためビタミンB1の不足には注意が必要なのです。
ではこのビタミンB1、どんな食材に多く含まれているのでしょうか?
ビタミンB1を多く含む食材
ビタミンB1を多く含む食材の代表を3つご紹介します。
- 豚肉
- 納豆
- 卵
ちなみにビタミンB1は、B2やB6、ナイアシンなどの他のビタミンB群と一緒に摂取することで、体内での働きが高まるといわれています。
ビタミンB2は肉類、卵類のほか、ブロッコリーにも多く含まれます。B6はごまや海苔、カツオ、鶏ささみ、鮭に多く含まれます。
夏の疲労感予防のためにも、ぜひビタミンB群を意識したメニューを考えてみてください。
ちなみに我が家でよくやるのは、豚肉をベースにした犬のための冷やし中華です。麺に豚肉、きゅうり、トマトを乗せてさっぱりと。香り付けに炒りごまと刻みのりを載せれば完璧です。
というわけで、今回はここまでです。
【2】夏野菜で水分補給、については次号の記事で引き続きご紹介しようと思います。
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