Office Guriの諸橋直子です。
今回は「秋の食材」がテーマです。冬瓜の話をします。秋に出回るのに、なぜか冬瓜。ちょっと不思議ですね。
肉と合わせて美味しいスープに!秋の味覚「冬瓜」のお話
冬瓜はみなさんにとって、どんな食材でしょうか?
北海道在住の私にとって、冬瓜は実はかなり珍しい食材です。少なくとも子供の頃に食べた記憶はありません。そもそも普通のスーパーではほぼ見かけません。産直や地元の野菜に強い特別なスーパーで、時々見かける程度です。
そのため夏も終わりに数少ない冬瓜をたまたまスーパーでみかけたら、必ず買うようにしています。
ただ通常サイズの冬瓜は、3〜5kgほどもあります。大きいです。これを一度カットしてしまうと、急いで食べ切らなければならないため、しばらくは冬瓜を食べ続けることになります。
それはちょっと、いくら美味しいとはいえ限界があるなあ、というニーズに応えてくれるのが「姫とうがん」。
1.5kgほどの大きさで、扱いやすいミニサイズ。これなら気軽に冬瓜料理を楽しめます。
ではこの冬瓜、犬の手作りごはんにはどう活用すれば良いのでしょうか?
冬瓜を犬のごはんに使う前に、「苦味」は必ずチェックしよう!
冬瓜自身は淡白で主張しない野菜です。そのため合わせる食材によって、味わいが変わります。
豚こま肉と合わせてもよし、手羽元と合わせて骨から出る出汁を、たっぷり冬瓜に吸わせるのも美味しいです。肉団子と合わせるレシピもあります。
食材の入手しやすさや犬の好みなどに合わせて、お好きなお肉と是非合わせてみてください。
注意点としては、冬瓜に「苦み」がある場合は、犬への使用は必ず止めること。
なぜなら冬瓜などのウリ科の植物はその実に苦味成分のククルビタシン類を含む場合があり、これを大量に摂取すると食中毒の危険があるからです。
摂取量によっては腹痛や下痢など、消化器症状を起こす場合があるので注意が必要です。これは犬に限らず、人間も同様です。
ちなみにククルビタシン類は、品種改良された野菜類にはほぼ含まれません。つまり種苗会社から購入した種を使用して栽培する限り、ほぼ心配しなくて大丈夫といえます。
一方でごくまれに、他品種との交雑によってククルビタシン類を多く含む実ができる場合があります。例えば近くで食用ではない観賞用ウリ科植物を栽培していて、それと交雑してしまった場合などですね。家庭菜園だと、こういうことは結構起こりがちです。
そのため冬瓜やズッキーニなど、ウリ科の植物の実を調理する際は念の為、犬のごはんに使う前に苦味がないか?をチェックすることをおすすめします。
余談ですが今年の夏、私の実家から家庭菜園で採れたズッキーニを大量にもらいました。それを早速焼いて人間が食べたところ、めちゃくちゃ苦い!
まさに「観賞用のウリ科植物と交雑しちゃったかも?」という可能性が高かったため、もったいないですが廃棄しました。後にも先にも、ズッキーニを食べてあれほど「苦い!」と感じたのは初めてです。
このように栽培環境によって成分が変わる可能性があるような野菜をもらったとき、それが家庭菜園でできたものの場合、我が家では必ず犬の食事に使う前に人間の料理に使ってチェックすることにしています。
家庭菜園は楽しいものですが、時々こうしたアクシデントも起こります。なので十分知識をもって、注意して栽培することが大事ですね。
家庭菜園で栽培したものをもらった場合も、ウリ科の植物は苦味を必ずチェックです。犬の安全にために、是非これは覚えておいてくださいね。
余談ですが、同じウリ科の植物「ゴーヤ」の苦味成分はモモルジシンという別の物質です。これは食中毒を引き起こさない物質で、全くの別物です。
冬瓜の栄養素は?犬の身体に良いの?
では冬瓜の栄養素をみていきましょう。
冬瓜は100gあたり16kcal。脂質はほぼゼロ、目立って多いのはカリウム200mgです。また重量の90%以上は水分です。つまり、ほとんど水。
カリウムはナトリウムの排泄を促し、細胞の浸透圧の調整もしてくれます。そのためむくみ防止の食材としてもよく知られますね。
カリウムには利尿作用があるため、尿結石や膀胱炎の防止にも役立ちます。たっぷりと排尿することは、膀胱や尿道の感染症防止になるからです。尿結石や膀胱炎の原因には、細菌感染が深く関わっていることが知られています。
というわけで、今回は「冬瓜」についてご紹介しました。ぜひ犬の手作りごはんに使ってみてください。
それでは、また!